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イートキャンパス講座事業受託講座 
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2023年2月1日(水)開催
イートキャンパス講座事業受託講座

IKEUCHI LAB フードセクター第1回講座まとめ

(本講座は討議のキーワードを拾いました)

【登壇者】

スペシャルゲスト
江面暁人(えづらファーム代表)
サブゲスト
伊藤昴典氏(三菱地所株式会社 めぐるめくプロジェクト)
ファシリテーター
伊藤新氏(株式会社北海道アルバイト情報社 営業企画課マネージャー)、綿引浩之(イートキャンパス株式会社代表取締役)

講座ダイジェスト

(本講座は討議のキーワードを拾いました)

以下から本講座の資料をダウンロードいただけます。

スペシャルゲスト自己紹介

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(江面氏)
東京でサラリーマンを脱サラして、起業しました。
2009年に脱サラをして、農業研修を経て、2012年に、えづらファームとして、独立した。
独立、起業した、遠軽町は、人口約500人の町です。農園の面積は、約42haで、東京ドーム9個分くらいです。
特色としては、主に畑作経営をして、農産物をネット販売をしており、農家民宿の「えづらファーム」を経営している。
次に、新規就農までの歩みとしては、30歳を前にして、家族と一緒に時間を共有できないのでなないかという疑問から、小さい時の暮らした経験があったこともあり、北海道での就農を決意した。
その結果、北海道に移住して、経営継承先の農家で2年間の農業研修の上で、独立した。

畑作は、未経験の農家としては、比較的耕作しやすく、農作業ができない、冬の期間に、自分の時間が作れることを含めて、この場所での就農を起業した。
最初に周辺の農家から言われたことは、
なんで、なにもない田舎にきたの?農家なんかつまらないよ?なんで、農家なんかになったの?
という言葉を投げかけられた。
⇒えづらファームが目指したこと。
一人でも多くの人に農家、農村に興味をもってもらい、人の集まる農場実現したい。
その結果、いつかの事業展開を行った。

農泊事業、飲食事業、教育的事業、文化的事業

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農業事業

原料出荷 小麦、スィートコーン、ジャガイモ(HP、SNSを使った通販事業)(中心事業)

農泊事業

年間延べ500名余の方が来られている。(遠軽町の人口以上)
簡易宿泊施設の認可をとって、開業。35年の空き家を使って、ほぼそのまま、利用して、始めた。 宿泊施設としては、SNSからの宿泊予約を取っている。(約40%が海外客)
日本の普通の家の宿泊することが、海外の方にとって、魅力的。
これは、地域がもつ潜在力が高い証拠だと思っている。
レストランは、この施設の隣に位置している。
日本のファームスティの国際比較をしてみた。
日本は、ヨーロッパの国に比べ、非常にすくない。
アジア含めて、日本の農業に関する魅力が高いので、ファームステイの可能性は非常に高い。

教育的事業

農作業を通じた企業研修
農業を通じて、人材育成が非常にしやすい。
こうした交流は、農業の将来の可能性を拡げる展開に繋がっている。

文化的事業

農業をより、身近で、感じ、地方で暮らすことの豊かさを伝えたい。
人手不足を補う機能を果たす役割にもなっている。年間70名が参加
全農業の労働時間のうち、外から労働力が40%に達している。
事前の面談をしっかりして、ボランティアでの参加の方の目的が達成されるように、
一緒に働いて頂くことを心掛けている。
その結果、研修に来たことで、目的が達成できるようにしたい。

飲食事業

毎週木曜日、土曜日、週2日間のみの営業
この事業で、作物の種植えから、収穫、消費までが一環した。

売上比率は、新規事業は、低いが、利益率が高く、資金返済計画の前倒しに大いに寄与した。
SNSを使用したことにより、えづらファームのファンづくりに役立った。
例えば、グーグル検索で、上位にくることも対応策をとった。

まとめ(成功するためのポイント)

経営リスクを減らしていく意味での多事業展開をした。
本業としての、農業から派生した事業展開と、本業を圧迫しない事業展開
勝算の読み、できるだけ、失敗しない事業展開の工夫。
競合他社が少ないマーケットで勝負してきた。
農業は、伸びしろだらけである。ぜひチャレンジしてほしい。

三菱地所伊藤昴典氏よりめぐるめくプロジェクト説明(別途資料参照)

具体的論点

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(綿引)
池内社長とのご縁は、さかのぼると、約30年以上前になるが、三菱地所の社歴35年のうち、約25年間、飲食ゾーンの企画営業をやってきた。
今回は、そのご縁で、池内社長から、このフードセクターの食講座の取りまとめのご依頼を受け、
札幌在住で、北海道の農家にルートにお強い、北海道アルバイト情報社の伊藤新氏と組む形で、スタートアップというテーマに即した、テーマとゲスト選定を行った。

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(江面氏)
農業の起業でも、5年間で3割の方がギブアップすることが現実であり、新規就農も、決して甘いものではない。
その意味では、競合他社がやっていないこと、自分の強みを活かしていくことが、長く農業をやり続けることの根底であると思う。

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(伊藤新氏)
農家さんを見ていると、自分のこだわりを捨てきれず、その商品が売れず、やめていく農家さんが多いことも見てきた。
その中で、江面さんは、就農2年目から、毎年、新しいことにチェレンジしてきたことのモティベーションがどこにあるのか。

(江面氏)
常になにかにチャレンジし続けないと、やっていけなくなる、という意識でやってきた。
その中には、農業以外のジャンルにもチェレンジしていく必要があるという意識でいた。
従前の意識でいること自体が非常に厳しいという意識でいた。

(伊藤新氏)
今後、起業をしたいと思っている方に対して、コメントを頂きたい。

(江面氏)
その意味では、自分がやることを、しっかりデータに残していくことが大切だと思う。
自分は、日報レベルで、記録にしてきたので、昨年の今日、なにをやってきて、うまくいったこと、いかないことをしっかり記録して、振り返って、それを踏まえて、実践してきた。

(綿引)
先日、イケウチラボで、フィンランド型のスタートアップの心がけを学んだが、その意味では、
やってはいけないこと、やるべきことをもう一度確認したい。

(江面氏)
まずは、同業他社の悪口、批判をしてはいけない。そして、現状に満足してはいけない。

(綿引)
北海道農業全体をどうすべきかをお聞きしたい。

(江面氏)
北海道農業は、日本の食糧の自給率を補うのに、非常に大切な役割りがある。
農業と観光を結び付けていくことが大切で、農泊、農業体験をしていくことを、もっと推進していくことが大切で、それを農業の収入面にしていくことが大切である。

(伊藤新氏)
農業体験の方は、どうされているのか。

(江面氏)
なにもないことの価値を体験してもらうこと、農作業自体をよく見て頂くこと、一緒に体験しいていくことが大切だと思う。

(綿引)
農泊という言葉も目新しいし、北海道で、なにもしないこと、農業をやるだけということが新鮮さを感じる。

(江面氏)
ポイントしては、過度なサービスはせず、ありのままの姿を見せて、ありのままを体験して頂くこと、
やる方もあまり無理をしないでやることが大切
であると思う。

(伊藤新氏)
これからの北海道農業にとって、ボランティアを労働力にすることは、大切なことだと思う。
これがどうやって、やっていくべきか。

(江面氏)
当初は、日当を出していたが、その後ボランティアに変更した。ボランティア活動にしてから、非常に意識の高い方が着て頂けるようになった。
えづらファームは、ハードではなく、ソフト面での差別化だと思っている。
そのためには、何度も言うは、強烈な自己分析を行い、自分たちの強みをどう作っていけるかに尽きると思う。
関係者の方々にも、自分の得意分野をよくお聞きして、それを活かして、頂くことを意識してやっている。

(綿引)
えづらファームモデルを作って頂きたい。
その中で、東京圏のレストランが、コロナも含めて、非常に苦労されている現実がある中で、江面さん自体もレストラン事業も乗り出されている中で、どう思われているかをお聞きしたい。

(江面氏)
自分でレストランをやってみて思うことは、お客様に、どうやって、食べられている農産物ができたのストリーを語っていって、美味しさを引き出している。
その意味では、レストランで、お客様に接する方が、農家の代理人として、語ってほしいと思う。

(綿引)
レストランが、農家の代理人、生産者の代理人になり切れるか、というお話を東京のレストランに持ち帰りたい。
次に、三菱地所の伊藤さんにめぐるめくプロジェクトのお話をして頂きたい。

(三菱地所 伊藤氏)
(めぐるめくプロジェクトの説明は別添資料参照

(綿引)
三菱地所が東京都心でこのような活動をされている中で、農業の第一線で活躍されている、江面さんから、どのように活用されたいかをお聞きしたい。

(江面氏)
地域毎に頑張っている農家の方にとってのプラットホームを作って頂けると大変ありがたい。

(伊藤新氏)
三菱地所の規模で、ぜひやれることをやって頂きたい。特に地域のハブを作っていく取り組みはぜひやって頂きたい。

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(三菱地所 伊藤氏)
今日の江面さんのお話をお聞きして、農泊他の活動を、全国各地で、見えれるようになれることにお手伝いができればいいと感じた。

(綿引)
私のえづらファームモデルを全国に知らしめていきたいというこを思った。

(江面氏)
求めていることは、余暇を農村で過ごしことを、一般化させていきたい。これは、国内の方も海外の方も一緒である。
もっと、グリーンツーリズムを日本で広めていきたい。

(三菱地所 伊藤氏)
その意味では、もっと、グリーンツーリズムを応援できるようにしていきたい。

(綿引)
そろそろ、そうまとめをしていきたい。江面さんに総括をお願いしたい。

(江面氏)
コロナ禍で、閉塞感を感じていた状況で、このような講座の場を設けて頂いたが、やはり、アナログのふれあい、体験が従前よりも求められている感じがしている。
こうしたコミュニケーションをどんどん作っていく必要性を感じた。

質疑

(綿引)
最後に質疑の場を設けるので、質疑をお願いしたい。

(質問者1 NKブリッジ下田氏)
イケウチラボの会員であるが、以前に農地を取得しようとして、できなかった経験があったが、どうやって、新規就農で、農地購入をしていけたいかということをお聞きしたい。

(江面氏)
本州と北海道では、農地に対する執着が違う思うが、やはり、地元の農家の方といかに認められるか、信頼できるかということを、農業研修の時に心掛けた。
会合があれば、真っ先に行って、お手伝いをするようにした。

(質問者2)
ち密な収支を計算しないで経営している、農家さんが多いように思えるが、そんな中で、新しい試みがなかなか出てこない現実があると思う中で、どのように、新しいことにチャレンジしていくべきかということをどうすべきかと思われるか。

(江面氏)
現実的には、新しい動きを作ることに対する抵抗感や、やっかみが出るには、事実である。
遠軽町は、跡継ぎがいないことの危機意識等で、新規参入者のやらせて頂けたということだと思っている。

(質問者3)
農業を新規就農されてきて、精神的に大変だったことをお聞きしたい。

(江面氏)
サラリーマン時代に比べれば、精神的ストレスは、ほぼ0になった。
肉体的には、農繁期に、寝る暇がなくなるほど、忙しいというきつい面がある。
精神的にきついのは、自然災害は、諦めがつくが、収入がなくなるのは、正直つらい。

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講座全編はこちらよりご覧ください

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