イートキャンパスクラブ

第2回 特別講座 
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2020年9月30日(水)開催
イートキャンパスクラブ 第2回 特別講座

「ウィズコロナ、ポストコロナ期における食関連企業の経営哲学、ブランド戦略、DEAN&DELUCAジャパンにおける18年間の試行錯誤から学んだこと」

【登壇者】

メインゲスト
横川正紀(ウェルカムグループ代表)
サブゲスト
國分裕正氏(街制作室代表)
ファシリテーター
本田勝之助氏(本田屋本店代表取締役)
綿引浩之(イートキャンパス株式会社代表取締役)

講座ダイジェスト

ウェルカムグループの展開(DEAN & DELUCAも含み)

(横川氏)
DEAN & DELUCAの第1号店が丸の内にできて、約18年になる。
今でこそ、出店場所も商業としてのストリートがつながっているが、当時は、新丸ビルも建設中で、⼈もまばらだったが、一軒ずつお店ができて、丸の内仲通りが出来ていった変遷を目の当たりにしてきた。

⾃分は建築科の学⽣だったが卒業制作の時に、ゲスト審査員の安藤忠雄先⽣から、「君は建築はやめた⽅がいい。そのかわり、建築を発注する側になりなさい」と言われて建築の世界は諦め、卒業後、建築的要素がある家具関係の会社に勤めることから模索を始めた。

その後、ジョージズファニチュアというインテリアショップからスタート切ったのがウェルカムグループの始まり。
いいねと思うことをいいねと⾔ってくれる⼈と⼀緒にやりたい。ビジネスの前にやりたいことを共感できる⽅々とお仕事をやることを念頭に進めてきた。事業のスピードが速い「ファッション」はなく、逆に「食」はスピードがとてもスローで、その中間の「住」からスタート。 現在、主に⾷とデザインの2軸で10数ブランドの事業を展開している。

2000年に創業した「GEORGE’S」から始まり、翌年「CIBONE」というブランドを⽴ち上げた。
⾷は、DEAN & DELUCAをメインに「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」などのレストランも展開している。
2012年頃から様々な企業・施設より、我々がこれまでやってきたライフスタイルの提案の視点で、施設やブランドの企画・運営の依頼を受けるようになった。
例えば、新国⽴美術館からミュージアムショップの相談を受け、”新しい21世紀の東京みやげ”を提案する「スーベニアフロムトーキョー」を企画し、オープン以来現在まで運営させていただいている。

またポーラグループのオーガニック化粧品ブランド「THREE」が旗艦店を青山に出される際に、施設の企画開発段階からお手伝いさせていただいたご縁で、「REVIVE KITCHEN THREE」というレストランの企画・運営もさせていただいている。
さらに、「ジャパンハウス」という外務省の海外における日本文化の発信拠点がいくつかあるうちの、ロサンジェルスとロンドンの2つのショップの企画と運営をお手伝いさせていただいた。

ではDEAN & DELUCAを少し掘り下げて紹介します。
1977年ニューヨーク・ソーホーで誕⽣したが、残念ながら、2020年3⽉の閉店になってしまった。日本では、我々が2016年に日本での商標権と営業権を完全に取得しているため、影響は一切ない。

元々、ジョエル・ディーン氏とジョルジオ・デルーカ氏という⼆⼈の創業者で始めたお店で、なにもマニュアルがなく、全て⼆⼈を中心とした創業者のアート的な感覚でやっていたお店だった。

「⾒るたのしみ、つくるたのしみ、⾷するよろこび」というコンセプトのもと、ありそうでなかったお店という合⾔葉から、2003年に丸の内に⽇本第⼀号店をオープン。
50坪の区画に、グロッサリーを埋めたら25坪にしかならなかったこともあり、残りの25坪をレストランスペースにしてスタートした。

DEAN & DELUCAは、2020年現在52店舗を展開中。
丸の内店から始まり、バラバラな⽴地に店舗を出店していったが、当初はアメリカに答えを求めていたのでどれもうまくいかなかった。

その後、六本⽊ミッドタウンに旗艦店を開業する時にデルーカさんに相談すると、
「君はソバとパスタはどっちが好きか?⾃分たちは、ルーツであるイタリアや地中海の⾷⽂化をアメリカの人に向けてどう編集して伝えるかをやってきた。
日本にも素晴らしい食文化がある。君自身が自分の街に向けて編集しなおす、という気持ちにならないと、DEAN & DELUCAは⽇本で根付かないのでは」と言われ、⽬から鱗の気持ちに。
そこから日本の食文化も取り入れ、全く新しいやり方で六本木店をオープンした。

そうやって3年くらい試行錯誤を続けるなかで、⾷に対する社会やお客様の意識の変⾰を経て、2010年頃から売上も伸びていった。
その後、2018年頃に、新規出店を一旦ストップ。理由は、慢性的な⼈⼿不⾜などから、⼤切にしていたことや従業員との関係性が薄くなってしまう危惧があったため。
ただ、今はそのおかげで、出店計画もなく既存店のてこ⼊れに集中できている。

都心と郊外、外食と食物販、リアルストアとイーコマース、グループ全体ではデザインもあるため、事業としてはバランスよく、コロナ禍でもなんとかやれていると思う。

いつも⾃分が経営を考えるとき、「FUTURE MAP」という絵を描くことにしている。
グループ統合した2016年、「VISION 2021」というオリンピックのその先に続く未来を描こうと思い、「4つの挑戦」を掲げた。

4つの挑戦(プレミアム、街づくり、新たなビジネス、世界へ)

(横川氏)
プレミアムへの挑戦は、DEAN & DELUCAを通して出会ったたくさんの食材を外食に活かすことなど。
例えば「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」は、毎朝、東京清瀬から日比谷のお店に届く、しぼりたての生乳でフレッシュチーズをそのままお店で作り、ピザなどを提供しているレストラン。

街づくりへの挑戦では、「⻁ノ⾨横丁」や「sequence MIYASHITA PARK」の例がある。虎ノ門横丁は「街の磁力となる食空間」として、
周辺のビジネスの⽅だけでなく、その他のそこに縁があって来た方々との交流、混ざり合いをテーマにした。

出店いただいた方々は、この街づくりのビジョンに賛同し、協⼒していただく気持ちで参加頂いた。
同時に若⼿の挑戦とお店同士の横のつながり場にしてもらうなど、人づくりもできるような形にした。
そういったこともあり今はコロナ禍でもにぎわっているが、そのアイデアの根底には、丸の内ハウスの考え⽅や学びを活かして提案させていただいたことがある。

もう⼀つの例は、「sequence MIYASHITA PARK」というホテルのプロデュースのお⼿伝いをしたこと。
「やさしいつながり」をコンセプトに、「東京のもう一つの家」のようなホテルを目指しホテルを利用される⽅はもとより、
街や公園に来る⽅、商業施設に来る⽅も使っていただけるようなお店やシステム、空間作づくりをした。

その他、街制作室國分さんとも⼀緒に、富山や函館での施設プロデュースのお手伝いや、⾃遊⼈さんと「松本⼗帖」というプロジェクトをご⼀緒している。

変わるべきことと、変わるべきでないこと

(横川氏)
ブランドは⼈みたいなもの(ブランドの⼈格化)、一軒一軒のお店がその街に根差しているか、
そのお店の従業員がやりたいことをやれているか、質を落とさずに量を積み重ねられるか、が⼤切。

同じ事業をやっていても、コロナ禍で明らかにお客様の意識と構成は変わってきている。
これまでは都心のリアルストアの売上がメインであったが、今は、郊外店やイーコマースが育ってきて、明らかに商品構成などは再編集する必要がある。
リアルとデジタルでいうと今、さまざまなシェフやスポーツトレーナーたちが、⾃分たちがやっていることをSNSでどんどん配信している。

今はデジタルでしか配信できなくても、それはいつか関係性となってリアルの結果として帰ってくることも。
そのことが分かっている人は意識をもってデジタルで自分の領域を拡げており、それはいずれリアルと循環すると思う。

今年開業したプロジェクトは、どれも大々的な開業販促ができなかったにも関わらず、たくさんの方々にお越しいただいている。
実はコロナでできなかった通常の開業販促の代わりに、元々たくさんのフォロワーがいる各店の店主⾃⾝が、横丁のお店に⽴ちながら、自らのSNSで告知をしていった。

すると元々そのお店のファンで食に対する感度の高いお客様への素晴らしい効果となりうわさがうわさを呼び、
その後テレビなどメディア取材へつながり、一般の方々にもお越しいただいているのが今現在。結果的に、⼀番いい集客の形となった。

このことから、従前型の開業販促はいらないという結論に達した。
⽇本のように、⼀⻫に開業して⼀⻫に開業販促を打つと、大混雑でお客様もお店側も満足できる流れにならず、半年くらい経ってまたリブランディングしなければならない。

日本のグランドオープンよりも海外のソフトオープンのように、ゆっくりと時間をかけて開業することの方が、より事業は長続きするのではないかと思う。

(國分氏)
今、全国で街づくりをやっているが、33年前のニューヨークのDEAN & DELUCAは、自分が求めていた料理がつくりたくなるグロッサリーのお店であった。そこで、今から17~18年前に日本でDEAN & DELUCAを展開している横川さんに会いに行ったのがきっかけ。
最初に、函館の再開発でご一緒した。(シエスタ函館)

地⽅における、⾷品売り場を設けたいということで商品MDの在り⽅をご指導頂いた。
最新では、富⼭BASEという商業施設で、同様の指導をお願いした。
地⽅の都市でありがちなのは、全て東京のものだけで作ってしまう。だが自分たちは、これに地⽅のいいものを⼊れて構成していくことを⽬指して作ってきた。
マルシェとフードホールが合体したような売り場になっている。

(横川氏)
よく、DEAN & DELUCAを出店してほしいといわれるが、それよりもその地元の良いものをいれるという編集の提案をしている。
まずは地元の⼈に愛されることで、地元の人が⾃信をもっておすすめできる場所にしていくことを⽬指した。

(國分氏)
このスペースは、地元の方のサードプレイスを作っていくつもりで、仕事をしてもいい場所として、作ってきた。
気仙沼も復興支援として、街づくりをやってきた。ここでも横川さんのご支援を頂いてきた。
地方の開発事例で、都心の飲食企業に返してあげられること。

(本田氏)
DEAN & DELUCAジャパンの強さは、結果、多角化の中での力強さを感じた。
地方でもコロナ禍でも、弱いところと強いところがあり、そうした多角化をどうやっていくべきかということは共通するところがある。

(横川氏)
自分は⾊々やりたがりなところがある。よく経営コンサルの⽅には、「事業は選択と集中だ」といわれるが、⾃分は⼀回も思ったことはない。
短期的な投資回収の視点ではそれも良いが、お客様や働いている従業員からすれば同じことをやっていたら、飽きてしまうし成長もしない。それで大きくなっても何か起きたときに支えられなくなる。

⽗がすかいらーくの創業者の一人で、日本の高度成長期と重なり、一つの業態で事業が大きく成長し、やがて応⽤⼒が効かなくなっていったのを傍で⾒てきた。
もちろん、今はすかいらーくも何度目かの成長期にあると思っている。

経営は投資とリターンが重要でそのバランスだが、ダイバーシティな時代なのでうまく多⾓化・多様化しながら、その複雑さを楽しんでやっていくことがいいと思う。
全国には、チェーン店しかない郊外の街が沢⼭ある。
弊社の例では2020年秋に国立にオープンした「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」のように、今まで思いこみではできなかったことにも、チャンスがあることに気づいた。

(本田氏)
DEAN & DELUCAにおける、ソバの例のように、海外もののレストランをどう国産化するか、地元化していくか、が重要だと思う。
地域らしさを出しながら、とんがった⾯を出していくか。

(國分氏)
地域の方が、地域の良さに気づいていないことが圧倒的に多い。自信がないことが多い。
そのことに気づかせてあげることが大切。

コロナ後こそ、本物が残る時代になった実感がある。
例としては、有機野菜の売上が倍増している事例もある。

(横川氏)
地元の⽅が、本来やりたかったことをどう実現させるかが重要。地元の⽅に、東京のやり⽅を押し付けてはいけない。
関わる人がみんな平等でお互いをリスペクトして、期待を超える関係をつくるのが大切。

コロナを経て、東京と地⽅との距離が相当なくなった感じはする。
こうした信頼関係が本質であり、コロナによって起きたチャンスでもある。

(本田氏)
今日の差し込みチラシにあるように、地域で、都心のレストランを受け入れたいという意思表示が出てきている。こうした地域が急増している。
裏面には、会津の酒蔵のお酒を送った、酒蔵とのZOOMイベントがある。こうしたことをきっかけにデジタルで、地域の距離感がすごく縮まっていく。蔵元に会いに行きたくなる。

(横川氏)
地域の⽅との信頼関係があってのイベントだと思うので、その絆を深めていくきっかけを作ることが大切。
イタリアでオーガニックフードの展⽰会に⾏ったことがあるが、すごい規模でどうやって選ぶのかわからなかったときに、
DEAN & DELUCAのアメリカのバイヤーに薦められたブースを⾏ったところ、とてもおいしい商品だった。

するとそのお店の⽅が連れて行ってくれた次のお店もとてもおいしくて、おいしいものとその先の関係が連鎖していることと、
そこに共通点があることに気づいた。(家族経営、生産規模が小さい、必ずしも営業上手ではないなど)

コミュニティは大事。

参加者意見交換会

どうやったら、選択と集中から、多角化できるか、いいひとと出会えるか。

前回スペシャルゲスト 諸江氏(会場参加者)

当社は、24店舗をもっているが、ヤウメイが今日、コロナ後、初めて満席になった。
どうして、この店に来たのか。と自問自答すると、やはりこの店に来たくなる気がした。
又、金沢始め、地方都市にもお店がある。地方も簡単ではないが、郊外も含めて、やり方はあるのかと思っていたので、今日の話でもう一度、頑張りたい。

鉄道会館 原囿氏(会場参加者)

「見る楽しみ、つくる楽しみ、食するよろこび」など、お店づくりに大切にされていることをお聞きしたい。

(横川氏)
⽇本の⾷物販において、ビジュアルマーチャンダイジングという考えがあまりなかったので、インテリア事業での学びからこれをいれていったことは強みだと思う。
DEAN & DELUCAは、都会の市場がテーマであり、⾷が主役でありいかにその美しさをみせられるか。
⾷がもっている本来の素材の⼒を引き出すようなディスプレイや配置としている。

⼜、アパレルショップでは「平台」といわれる、表現するプロモーションテーブルを作ったこともポイント。
よく、DEAN & DELUCAはデザインしているといわれるが、実は殆どしていない。
ミニマムは簡単なようで簡単でないが、「FOOD IS HERO」という考えのもと、販売している商品そのものに誇りを持ち、責任をもって販売していくことを⼤切にしている。

三菱地所上海 平瀬氏(WEB参加者)
上海において、日本の飲食店に対するニーズは高い。日本の飲食店における中国進出の抵抗感や今後はどうか。

(横川氏)
海外でもやはり、地元のことをよく理解しているパートナーと組むのが重要。
中国のように大きいマーケットではエリアを限ってきっかけをつくるなど。

(國分氏)
シンガポールに、北海道マルシェを作り、ハワイにワイキキ横丁を作ったことはある。
アメリカの出店のハードルが高い。信頼できるパートナーを紹介できるかどうかがポイントである。

(綿引)
一緒に平瀬氏とやってみて、やはり、信頼関係だと思う。

With Green 武文謙太氏(WEB参加者)
サラダボール専門店を展開している企業である。サラダ店の展開と
質と量、1店の力というお話が一番刺さった。
1軒としての力が弱くなっていることの実感している。
店舗展開する上で、どんな手を打っていくことが大切か。

(横川氏)
⼈の成⻑より、お店の展開が早いのはNGだと思う。⼈の成⻑とお店の展開があっているのか。机上での成⻑戦略と実際の⼈の成⻑は必ずしもマッチしない。
それをマッチさせるだけの教育費⽤などを初期投資としてかけられるか。
我々の場合は、長く続く事業をやりたいので、それほど急がないで、⼈の成⻑にあわせた出店戦略に変えた。
事業の本質と教育と成⻑のバランスを最初からどれだけ丁寧に考えていくかだと思う。

都⼼偏重型の飲⾷企業とデベロッパーの参加者が多い中で、地⽅、郊外への踏み込み⽅

(國分氏)
三菱地所も、なかなか地方の開発をしたがらない。
函館の例でも、低層部をMUJIをいれた。その中にワークショップができる例をいれ、その上で、マンションを建設した。
結果的には、すぐに完売した。(現金購入者が多かった)
実際やってみると、成功する場合は十分ある。
商業をつくるには、箱を作らない。地元の人が使う施設をつくること。

(横川氏)
地⽅と東京の違いは、なにか。
郷に入ったら郷に従う。⽬の前のお客様が違うのに、商品構成やマーチャンダイジングを東京の考えでつくることはNGだと思う。

先日、国⽴の出店告知をSNSだけでなく新聞折り込みにしたところ、初⽇から大盛況だった。お店づくりも告知⽅法も、地元に合ったやり⽅が重要と気づいた。
同様に、ハードである建物を建てるときには、ソフトであるオペレーションをする⼈と⼀緒に考えて熱をもって作っていくことが⼤切だと思う。

(國分氏)
沖縄で、瀬長島の例がある。人と海をつなぐプロジェクトで、那覇空港の近い無人島に低層で、商業を作ったが、結果、平均坪3万円の家賃になっている、約50店舗。
ちらうみ水族館につぐ、集客ができている。(年間400万人の来場)
地方から都心に出ていくプロジェクトもある。日比谷に日々小路という屋台村を高層ビルの中に作り、地方のお店をいれた。
地方の若手の飲食経営者を育てるプロジェクトも必要だと思う。
神宮前COMICHIも同様なプロジェクトで、原宿駅近くに、5坪から10坪程度の屋台的店舗を18店舗入れた事例がある。

(横川氏)
これからは、大きな施設でも路⾯の⾃由さをできるだけ持ちながら、それが積みあがって集積になった⽅がもっとよくなる。
コロナでそれを受け入れる状況が出始めたので、逆転の図式をつくること、それを作っていく⼈たちとのコミュニケーションが欲しい。

総括

(本田氏)
コロナ後、地域から、都心に出ていこうという機運が高まっている。
地域にしかないことは、自然である。都心の企業と組んでいけることを仕掛けていきたい。

(國分氏)
自分で完結しようとする動きがある。自然の中に身を置く生活がいい生活であることの意味が大切。公共空間を活かす生活スタイルが都会でも必要となっている。
地方に行くのと、都会の中での生活が大切。

(横川氏)
マーケティング先⾏、都市型先行、企業先⾏はダメで、三⽅良しの⽅向性を模索することが大切。
それは、関わっている人たちが本当に気持ちいいか、から話して考えることからスタートすることでもある。
その施設やお店で働く人たちが、どうやったら楽しくなるのか。やっている者同士が仲良くやれるのか。
その意味でも、最も大切なのは「人の関わり=ヒューマンスケール」で、どうフラットにオープンにコミュニケーションをとるかだと気づかされた。
地⽅も都会も民間も行政も⼀緒に、そのヒューマンスケールな関係性から⾃分が何をやりたいかを考える、そしてそれに共感できる方々とご一緒したいと思います。

第2回 イートキャンパスクラブ特別講座 講座後記

「ウィズコロナ、ポストコロナ期における食関連企業の経営哲学、ブランド戦略、DEAN&DELUCAジャパンにおける18年間の試行錯誤から学んだこと」を終えて

ファシリテーター イートキャンパス(株)代表取締役 綿引 浩之

私が、三菱地所から退職し、早4カ月が経とうとしている。
6月に起業した時に、諦めていた、設立記念会を、関係者の熱い激励とご協力で、何とか、6月19日に、設立記念講座という形で、実現できた。
会場参加者、WEB参加者ともに、この時期にとても有意義な講座であったとのご評価を頂いた。
自分としても、ある種の達成感は大いにあったが、逆に、コロナ期を今後、どう戦うべきかは、これからが本場で、もし、こうした講座をやるのであれば、継続していかないと意味がない。との認識を深めた。

では、次をいつ、どういう形で行えばいいのか。こう考えている間に、時間はあっという間に、過ぎていく。

又、前回は、今までの、三菱地所時代に自分が提案し、開始した、丸の内食コトデザイン研究所の食講座にならい、平日の夜に、食事付で開催したが、もっと、現場に近い、もしくは現場に入っている方にも参加できる、アイドルタイムに開催しては、という想いや、もっと、参加しやすい会費での参加、WEB参加者も意見交換ができるシステムでも開催など、考え出すと、益々、どうするかの悩みに変わっていった。

やはり、イートキャンパスのパートナーに聞いてみるしかない。と思い、何人かに聞いてみる。
意見は様々。でも共通なのは、あまり間を置かないで、開催するなら、やった方がよい。との意見。
それはそうだけど、今度は、誰をどんな形で、お呼びするか。
これも、自分で考えているより、パートナーに具体的候補を聞いた方がよい。と思った。

そんな中、パートナーの一人、れくらの後藤社長から、若手飲食経営者の何人かが、ぜひDEAN&DELUCAジャパンの横川社長のお話を聞いてみたいとの声があります。でも、直接は知らないので、綿引さん、どうでしょうか。との意見。
横川さんか。そういう意味では、今年、本当は東京オリンピックイヤーであった、2020年の虎ノ門横丁、渋谷宮下パークのホテルを手掛けられ、まさに、話題満載のゲスト候補であった。

ちょうど、その時、パートナーのもう一人、街制作室國分社長から、横川さんとは、来週、富山で会うので、直接聞いてみようか。とのこと。
思わず、ぜひぜひ、お願いします。安直にお願いしてしまった。

その翌日か、翌々日、今、富山だけど、横川さん、快諾です。とのことで、この講演が決まった。
喜びと同時に、では、今度は、どういう形で開催しようか。ということになり、自分としては、以前から、飲食現場で働いている方も参加できる時間帯、アイドルタイムに開催しようと思った。

その後、横川さんのスケジュールを確認すると、もの凄く多忙な中、何とか、事前打ち合わせ(WEB)と、その後、平日のアイドルタイムで、今回の紹介者、依頼者になって頂いた、街制作室國分社長と同時に出席頂ける日程9月30日を確保できた。
その後、自分なりに講座内容仮案を作って、前回講座案内者他の方々にメール案内を行ったが、やはり、実際に、横川さんから、ヒアリングをしないと、本来の講座内容は決められないことを実感し、9月上旬にようやく、事前打ち合わせを迎えられた。

事前打ち合わせは、横川さんは、タクシーの中でのZOOM会議となったが、参加想定者の確認から入り、具体的実例をわかりやすいビジュアル資料を映しながら、ご説明頂くことで、すぐに話がまとまった。國分さんも交えた、地方での展開の実例は、國分さんから、事前に横川さんに資料を送って頂くことになった。虎ノ門横丁、宮下パーク、富山BASE他、今年開業したホットな実例による実話が一番リアリティのある話になるはず。
こうして、今回もなんとか、特別講座の開講にこぎつけた。

会議形式は、前回同様、会場とWEBのリアルとデジタルの二本立て、前回は、WEB参加者は聴講のみであったが、今回は、講座協力者の絶大なバックアップで、何とか意見交換もビジュアル付で行える段取りまで整った。
前回は、本当に2週間を切ってのご案内になってしまったが、今回は、1か月前のご案内ができた。しかしながら、やはり、講座参加案内者は、コロナ対応で、相当忙しいらしく、反応が鈍い。結局、約2週間前からの個別案内等によって、会場定員40名に直前で達し、WEB参加者は前回をはるかに超える約70名まで達した。

三菱地所時代の食講座は、事務局を設け、チームでの対応を含め、1か月毎の開催であったが、一人企業のイートキャンパスでは、関係者の皆様のご協力を頂いても、3カ月毎の開催が限界であることも痛感した。
ようやく、というより、実際は、あっという間に迎えた講座当日は、冒頭の主催者挨拶も全く考える余裕はなかったが、結果的には、予定調和が殆どない、自由なお話と議論ができたのではなかったかと思った。

そして、私の役割は、いつもながら、面白いゲスト程、予定時間を超過しがちなお話をどこまで、引っ張り、どこで、切り替えるか。いつも講座が始まると、全神経を集中させる。 横川さんの、けっして、急いでないが、わかりやすく、簡潔なお話が次々の飽きる隙間が微塵もなく、スムーズに進んでいく。

サブゲスト、國分さんのお話もぜひ入れたいし、地域ファシリテーター本田さんからのコメントもぜひ頂きたかったが、お二人とも手馴れているので、スムーズに入って頂けた。
お二人とも、地域在住で、地域開発を多数手がけられているので、地域のお話には、リアリティがある。國分さんは、具体的事例を画像も含めて、説明して頂いたので、とてもわかりやすかった。

結局、休憩時間は急遽カットした。せっかくの意見交換会もきっちり時間をとりたいし、今回初のWEB参加者からもしっかりご意見、ご質問を取っていきたい。何とか、会場参加者からも、WEB参加者からもご意見、ご質問を頂き、ゲストからご回答を丁寧に頂けた。
当初予定していた。2時間半(150分)はアッという間に、過ぎていき、約10分超過で、終了となった。

今日も、当然、結論、必殺策が出たわけではないが、長期化するコロナ期での経営方策、コロナ後のビジョンは大いに語られたのではないかと思う。
でも、結局、今日の議論の、経営ビジョンも、コロナがあっても、なくても、本来これからの企業がやるべき、経営方針の一つであることは間違いないことだと思う。コロナがきて、その必要性が際立っただけのはずである。

以下は、私が思う、横川さん、國分さん、本田さんから、学び、感じた、経営ビジョンである。

  1. いいね(したい)と思うことを、いいねと思ってもられる人とやるにはどうすればいいのか。
    実現できるのか。
  2. 自国(自分の地域)における食文化をいかに根付かせ、表現していけるか。
  3. 食において、欧米から学ぶべき、ビジュアルマーチャンダイジングの考え方を導入、実践できるか。
  4. 食がもっている素材の良さ、美しさを引き出せるか。
    それが本当の価値である。無用なデザイン、装飾は不要である。
  5. 地域の良さを地元の方が理解して、自信をもってもらうこと、これが都会人の役割である。
    それができて、お互いが活用できる関係になれる。
  6. 美味しさの連鎖を知り、美味しさの本質を知る。ちいさくても、宣伝がなくても下手でも、その連鎖の糸口を探れるコツを見出すこと。
  7. 人の成長があっての事業の拡大。人がやりたいことを実践することが多角化の源泉。
    これが企業の足腰を強くして、最終的には、本当に強い企業になれる。
  8. 自分がなにをやりたいかを、各自考え、大切にして、実践できている世界を目指すこと。

以上、本日の講座のまとめのまとめをしてみた。
次回は、できれば、年内を目標に、継続的、発展的講座開講を目指して、準備をしたいと思う。
ご参加者、そして講座協力者の皆様、イートキャンパスクラブ特別講座、ご支援、ご協力、ご参加、これからもよろしくお願いします。

映像

講座全編はこちらよりご覧ください

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